賃貸住宅を退去するとき、
「壁紙に傷がある」
「床がへこんでいる」
「お風呂にカビが残っている」
と気付くと、
「これも全部請求されるの?」
と不安になる方も多いと思います。
先に結論をお伝えすると、退去時に傷や汚れがあるからといって、すべて借主負担になるわけではありません。
原状回復では、
- 普通に生活していて生じた通常損耗
- 年月の経過による経年変化
については、原則として借主が元に戻す義務を負うものではありません。
一方、
- 借主の故意・過失による傷や破損
- 手入れ不足によって広がった汚れやカビ
- 通常の使い方を超えて生じた損傷
などは、借主負担になる可能性があります。
また、借主に原因がある場合でも、
「新品への交換費用を必ず全額負担する」
とは限りません。
材料の経過年数や補修範囲なども確認する必要があります。
この記事では、退去時に請求されやすい項目を一覧で整理し、
「自分の場合は借主負担なのか」
を判断するためのポイントを、内装・修繕・原状回復の現場に30年以上携わってきた経験も交えて解説します。
「何を請求されるか」より先に、借主負担と貸主負担の基本的な違いを確認したい方は、こちらの記事で判断方法を詳しく解説しています。
賃貸の退去費用はどこまで借主負担?貸主負担との違いと判断基準をケース別に解説賃貸の退去費用はどこまで借主負担になる?通常損耗・経年劣化と故意過失の違い、壁紙・床・カビ・水回りなどケース別の負担判断、6年ルールや特約、見積書の確認方法を現場目線でわかりやすく解説します。
結論|「請求されやすい項目」と「借主が払う項目」は同じではない

退去時の見積書には、
- クロス張替え
- 床補修
- ハウスクリーニング
- 鍵交換
- 設備修理
など、さまざまな項目が記載されることがあります。
しかし、
見積書に項目がある=その費用を借主がすべて負担する
という意味ではありません。
まず確認したいのは、その傷や汚れがなぜ発生したのかです。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、
通常の住まい方・使い方でも発生する損耗
と、
借主の住まい方や使い方によって発生した損耗
を分けて考えます。
さらに、通常の損耗から始まったものでも、手入れを怠ったことによって損害が広がった場合には、借主負担が問題になることがあります。
「原状回復=入居時の新品状態に戻すこと」ではありません。原状回復の基本から確認したい方はこちらをご覧ください。
賃貸の原状回復とは?通常損耗・経年変化と退去費用の基本ルールを解説賃貸の原状回復とは?入居時の新品状態に戻すことではありません。民法621条と国交省ガイドラインをもとに、通常損耗・経年変化・故意過失の違い、借主負担、6年ルール、特約、退去費用の確認方法を現場目線で解説します。
借主負担か判断するときに見る5つのポイント

請求項目を見たら、次の5つを順番に確認します。
1.原因
通常使用なのか。
借主の不注意なのか。
建物や設備側の問題なのか。
最初にここを確認します。
2.契約・特約
ハウスクリーニングや鍵交換など、契約で費用負担について特約が定められている場合があります。
ガイドラインだけでなく契約書も確認します。
3.経過年数
クロスやクッションフロアなど、経過年数を考慮して借主負担割合を算定するものがあります。
ただし、すべての材料や設備に同じ「6年ルール」が使われるわけではありません。
4.補修範囲
小さな傷なのか。
一面施工が必要なのか。
一室全体を施工する必要があるのか。
工事として必要な範囲を確認します。
5.見積書の内容
数量。
単価。
施工場所。
借主負担割合。
何の費用なのか分からない「一式」になっていないか。
最後に請求内容を確認します。
つまり、
原因 → 契約 → 年数 → 範囲 → 金額
という順番で考えると整理しやすくなります。
原状回復で請求されやすい項目一覧

まず全体を一覧で見てみましょう。
| 項目 | 借主負担になりやすい例 | 貸主側と考えられる例 |
|---|---|---|
| 壁紙 | 不注意による破れ、大きな穴、落書き | 日焼け、通常の変色 |
| 床 | 引きずり傷、焦げ、放置した水濡れ | 通常の家具設置跡など |
| クッションフロア | 引きずり傷、焦げ、借主原因の変色 | 通常の家具跡、経年劣化 |
| 天井 | 借主原因の水漏れ、放置して広げたカビ | 雨漏りなど建物側の原因 |
| カビ | 手入れ・連絡不足で拡大 | 構造上の問題など借主では防ぎにくいもの |
| キッチン | 長期間放置した油汚れ | 通常の使用で生じる程度の汚れ |
| 浴室・洗面・トイレ | 清掃不足で固着した水垢・カビ・尿石 | 通常の清掃をしていて生じる範囲 |
| ドア・網戸 | 衝撃による破損、不注意による破れ | 経年劣化・自然な故障 |
| 窓ガラス | 物をぶつけた破損 | 地震、構造上自然発生した亀裂など |
| エアコン | 不適切な使用や放置で損害を拡大 | 経年による故障など |
| 畳・襖・障子 | 借主の不注意による破れ・汚損 | 次の入居者のための通常の交換など |
| ペット | 引っかき傷、尿汚れ、臭い | ― |
| 喫煙 | ヤニ汚れ、臭い、焦げ | ― |
| 鍵 | 紛失・破損 | 通常の入居者交代による交換 |
| ハウスクリーニング | 特約や通常清掃不足などによる | 通常清掃済みで特約もない場合など |
これはあくまで一般的な目安です。
同じ場所の傷でも原因や契約内容によって結論は変わります。
ここから項目ごとに見ていきます。
壁紙・クロスで請求されやすいもの

(※写真は一例です。同じように見えても、原因や状態によって負担判断は変わります。)
壁紙は、退去時に確認されやすい場所の一つです。
借主負担になりやすいケース
- 物をぶつけて破った
- 下地まで傷めるような大きな穴
- 落書き
- 喫煙によるヤニや臭い
- 借主が行ったDIYで傷めた
などです。

一方、
日照による自然な変色などは、借主の故意・過失によるものではありません。
また、画鋲やピン穴もすべて借主負担になるわけではなく、下地への影響などで判断が変わります。

フローリング・クッションフロアなど床の請求

(※写真は一例です。同じように見えても、原因や状態によって負担判断は変わります。)
床は、床材の種類を確認することが重要です。
フローリングとクッションフロアでは、原状回復における経過年数の考え方も同じではありません。
借主負担になりやすいケース
- 家具を引きずってできた大きな傷
- 物を落としてできた傷
- 焦げ
- 水をこぼして放置し、シミや腐食を広げた
- ペットによる傷
などです。
一方、家具を普通に置いたことで生じたへこみ・設置跡については、通常損耗として考えられるケースがあります。
フローリングは「部分補修か全面張替えか」でも判断が変わります。詳しくはこちらで解説しています。
賃貸のフローリングの傷は借主負担?退去費用・補修範囲と6年ルールを解説賃貸のフローリングの傷・へこみは借主負担?家具跡、キャスター傷、物を落とした傷、水濡れなど原因別の判断、部分補修と全面張替え、6年ルールとの違い、退去費用の確認方法を職人目線で解説します。
クッションフロアは6年ルールも確認する
クッションフロアは、国土交通省ガイドラインで6年で残存価値1円となるよう経過年数を考慮する対象です。
ただし、
「6年以上ならどんな傷でも0円」
という意味ではありません。
CFの家具跡・傷・変色・6年ルール・全面張替えについてはこちらで詳しく解説しています。
クッションフロアの傷・へこみ・変色は借主負担?賃貸の退去費用と張替え範囲の判断基準クッションフロアの傷・へこみ・変色は借主負担?家具跡や引きずり傷、黒ずみ・焦げなどケース別の判断、CFの6年ルール、全面張替えを請求された場合の確認ポイントを国土交通省ガイドラインと現場目線で解説します。
天井のシミ・カビ

(※写真は一例です。同じように見えても、原因や状態によって負担判断は変わります。)
天井や壁にシミやカビがある場合は、特に原因の確認が重要です。
例えば天井のシミでも、
- 雨漏り
- 結露
- 上階からの漏水
- 借主側の水漏れ
など、原因はさまざまです。
雨漏りなど建物側の問題で発生したものまで、借主負担になるわけではありません。
一方、結露や水漏れに気付きながら放置し、被害を広げた場合には、管理不足が問題になることがあります。
天井のシミは見た目だけでは原因を判断できません。雨漏り・結露・カビの違いはこちらで解説しています。
天井のシミは請求される?退去費用の負担と雨漏り・結露・カビの判断基準賃貸住宅の天井のシミは退去時に請求されるのでしょうか?雨漏り・結露・カビなど原因によって負担する人は変わります。原状回復の考え方と、請求された場合に確認すべきポイントを現場経験30年以上の職人が解説します。 カビは原状回復の対象?借主負担になるケースと判断基準を解説賃貸で発生したカビは原状回復費用として請求されるのか?結露・換気不足・掃除不足など原因ごとの負担の考え方を、国土交通省ガイドラインと現場経験をもとに解説。退去時に損しない判断ポイントも紹介します。
キッチン・お風呂・トイレ・洗面台

(※写真は一例です。同じように見えても、原因や状態によって負担判断は変わります。)
水回りでは、
「汚れているか」より「通常の清掃をしていたか」
を見ることが重要です。
キッチン
料理をしていれば、ある程度の油汚れは発生します。
しかし、長期間ほとんど清掃せず、落としにくい油汚れやススを蓄積させた場合には、借主負担が問題になる可能性があります。

お風呂
水垢やカビも、通常の清掃をしていたか、長期間放置して固着・拡大させたかで判断が変わります。

トイレ
黄ばみや尿石も、通常使用そのものより、清掃不足によって落ちにくい状態まで悪化させたかがポイントになります。

洗面台
洗面台では、
- 水垢
- カビ
- 傷
- ひび
- 変色
など、それぞれ原因を確認します。
汚れと傷では負担判断が異なるため、詳しくはこちらで解説しています。
洗面台の汚れ・傷は請求される?賃貸の退去費用で借主負担になるケースと判断基準賃貸の洗面台についた汚れや傷は退去時に請求される?水垢・カビ・黒ずみ・ひび割れなど、借主負担になるケースと通常使用として扱われるケースを国土交通省のガイドラインをもとに解説。現場経験から退去前に確認したいポイントも紹介します。
トイレの詰まり・水漏れ
詰まりや水漏れも、
設備そのものの故障なのか。
借主の使い方が原因なのか。
で負担が変わります。

室内ドア・網戸・窓ガラス

(※写真は一例です。同じように見えても、原因や状態によって負担判断は変わります。)
建具や窓周りも、
古くなって壊れたのか、借主が壊したのか
を分けて考えます。
室内ドア
物をぶつけてへこませた。
穴を開けた。
不適切な使用で破損した。
という場合は借主負担になる可能性があります。
一方、部品の経年劣化や建付けなど、借主の責任ではない原因もあります。

網戸
不注意で破った場合と、古くなって自然に破れた場合では考え方が異なります。

窓ガラス
物をぶつけて割った場合は借主負担になり得ます。
一方、地震による破損や、構造上自然発生した網入りガラスの亀裂などは、借主に責任がない例として国土交通省ガイドラインに示されています。
身に覚えのない窓ガラスのひびは、熱割れ・自然亀裂・衝撃による破損を分けて考える必要があります。
窓ガラスのひび・割れは借主負担?熱割れと不注意による破損の見分け方【賃貸】賃貸の窓ガラスのひび・割れは借主負担?熱割れや網入りガラスの自然亀裂、地震、不注意による破損の違いと費用負担、ひびを見つけたときの対処法を国土交通省ガイドラインと現場目線で解説します。
エアコン・設備

(※写真は一例です。同じように見えても、原因や状態によって負担判断は変わります。)
エアコンなどの設備は、
故障した=借主負担
ではありません。
通常使用による経年故障なのか。
借主の不適切な使用なのか。
異常に気付きながら放置して、別の場所まで損害を広げたのか。
を確認します。
例えばエアコンから水が漏れていることに気付きながら長期間放置し、壁や床まで傷めた場合には、拡大した損害について借主側の管理責任が問題になることがあります。

畳・襖・障子
和室では、
- 畳のシミ
- 襖の破れ
- 障子の破れ
などが確認されることがあります。
借主の故意・過失による損傷なら負担が生じる可能性があります。
一方、次の入居者を迎えるために通常行う畳表の交換などは、借主が傷めたわけでなければ同じ扱いにはなりません。
また畳表・襖紙・障子紙は、クロスとまったく同じ経過年数の考え方ではありません。
畳・襖・障子はそれぞれ負担単位や経過年数の考え方が違うため、和室の退去費用はこちらで詳しく整理しています。
畳・襖・障子の張替えは借主負担?賃貸の退去費用で請求されるケースと判断基準畳・襖・障子の張替え費用は借主負担?日焼けや経年劣化、破れ・シミなど、賃貸退去時に請求されるケースと貸主負担になるケースを国土交通省のガイドラインをもとに現場経験のある職人が分かりやすく解説します。
ペット・タバコ
ペットや喫煙による損傷は、部屋の複数箇所へ影響することがあります。
ペット
- 壁や柱の引っかき傷
- 床の傷
- 尿によるシミ
- 臭い
などです。
ペット可物件でも、
ペットによる傷や臭いがすべて通常損耗になるわけではありません。

タバコ
- 壁紙のヤニ
- 臭い
- 焦げ
などは、借主負担になる可能性があります。
ただし、請求額については経過年数や施工範囲も別に確認します。

鍵交換・ハウスクリーニング
傷や汚れ以外でも、退去時に請求されることがあります。
鍵交換
借主が鍵を紛失・破損した場合は、借主負担になる可能性があります。
一方、紛失・破損がなく、入居者が替わるために通常行う鍵交換について、国土交通省ガイドラインでは貸主負担が妥当とされています。
ただし、鍵交換費用を借主負担とする特約がある場合は契約内容を確認する必要があります。

ハウスクリーニング
通常の清掃をしている場合に、次の入居者のために行う専門業者による全体クリーニングは、ガイドライン上は貸主側の例として整理されています。
一方、実際の契約ではクリーニング特約が設けられていることがあります。

借主負担でも「新品交換費を全額」とは限らない
ここは非常に重要です。
例えば、借主が壁紙を破った。
その場合、
「借主に原因がある」
というところまでは判断できても、
新品への張替え費用をそのまま100%負担する
とは限りません。
原状回復では、
- 経過年数
- 補修範囲
- 材料の種類
などを確認します。
6年ルールはすべてに使うものではない
クロスやクッションフロアには、6年で残存価値1円となるよう借主負担割合を考える方法があります。
一方、フローリングの部分補修や畳表などは同じ扱いではありません。
「6年以上住めば退去費用は0円?」という疑問については、対象になるもの・ならないものをこちらで詳しく解説しています。
賃貸の原状回復「6年ルール」とは?6年以上なら退去費用は0円?対象と計算方法を解説賃貸の原状回復「6年ルール」とは?壁紙・クッションフロアなど6年で残存価値1円となる対象、負担割合の計算例、6年以上住んでも退去費用が必ず0円にならない理由を国交省ガイドラインと職人目線で解説します。
全面張替えをしたからといって全額借主負担とは限らない
現場では、小さな損傷でも施工上は広い範囲を直さなければならないことがあります。
例えば、
壁紙の色や柄が合わない。
クッションフロアの部分補修では継ぎ目が目立つ。
材料がすでに廃番。
といった場合です。
しかし、
「工事として広い範囲を施工すること」と「その工事費を借主がどこまで負担するか」は別に考えます。
国土交通省ガイドラインでも、原状回復の負担対象範囲は可能な限り毀損部分に限定し、最低限の施工単位を基本としています。
現場で工事内容を考えることと、原状回復費用の負担割合を決めることを混同しないことが大切です。
見積書が届いたら「一式」で判断しない
実際に退去費用が届いたら、
総額だけではなく中身を見ます。
確認したいのは、
- どの場所か
- 何が原因か
- 補修範囲
- 数量
- 単価
- 経過年数
- 借主負担割合
- 特約
です。
例えば、
「原状回復工事 一式 150,000円」
だけでは、何に対する請求なのか分かりません。
分からない場合は、貸主や管理会社へ内訳や算出根拠を確認しましょう。
実際に見積書が手元にある方は、「場所・原因・範囲・年数・特約」の順で確認すると整理しやすくなります。
退去費用の見積書はどこを見る?原状回復費用の内訳と確認ポイント退去後に届いた原状回復費用の見積書は、どこを確認すればいい?クロス・床・ハウスクリーニングなどの内訳や、借主負担になる範囲、経過年数、特約、見積金額の確認ポイントを現場経験のある職人が分かりやすく解説します。金額の相場が気になる方はこちらのお話を参考にしてください。
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NG行動|請求されそうな傷を見つけたときに避けたいこと

(※写真は一例です。同じように見えても、原因や状態によって負担判断は変わります。)
慌ててDIYで隠す
補修材や接着剤を使って状態を悪化させることがあります。
「傷があるから全部自分が払う」と思い込む
原因・経過年数・補修範囲を確認してください。
「6年以上だから全部0円」と思い込む
対象によって考え方が違います。
写真を残さない
退去前・立会い時の状態を残しておくことは重要です。
書類の意味を確認せずサインする
状態確認なのか費用負担への同意なのかを確認します。
まだ退去前なら、契約書・写真・掃除・不具合の連絡など、今のうちに確認しておきたい7項目をこちらにまとめています。
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職人目線|「傷がある」だけでは工事も負担も決まらない

原状回復の現場で部屋を見るとき、私は、
「ここに傷がある」
という単純な理由だけでは判断しません。
まず、
何が原因なのか。
次に、
どの程度傷んでいるのか。
そして、
材料がどのくらい古いのか。
さらに、
部分補修できるのか、広い範囲を施工する必要があるのか。
など、様々な項目を確認します。
例えば同じ床の傷でも、
家具を普通に置いてできたへこみ。
引きずった傷。
水を放置して傷んだもの。
経年による劣化。
では意味が違います。
そして、
工事として交換が必要かどうか
と、
その費用を借主が負担するかどうか
も別の話です。
交換工事が必要でも、原因や経過年数、補修範囲を確認して初めて借主負担を考えます。
だからこそ、退去時に何かを指摘されたら、
「傷がありますね」で終わらず、「なぜこの傷が借主負担になるのか」まで確認すること
が大切です。
請求内容に納得できないときは、まず理由を確認する
退去費用を見て疑問がある場合でも、
最初から
「払わない」
「不当請求だ」
と決めつける必要はありません。
まず、
- 契約書
- 入居時・退去時の写真
- 見積書
- 立会い時の書類
- 入居期間
を確認します。
そして、
「この項目が借主負担になる原因を教えてください」
「この範囲を施工する理由は何ですか」
「経過年数は考慮されていますか」
と、疑問点を具体的に確認します。
すでに高い退去費用を請求されている方は、金額だけではなく「原因・範囲・年数・内訳」を確認する方法をこちらで解説しています。
退去費用が高すぎると感じたら?請求内容の確認方法と納得できないときの対処法【賃貸】退去費用が高すぎると感じたら何を確認する?借主負担の原因、補修範囲、6年ルールなどの経過年数、見積書の内訳・単価・特約を確認する順番と、納得できない場合の対処法を現場目線で解説します。退去後の追加請求が発生した時はこちらのお話を参考にしてください。
退去後に追加請求された!原状回復費用は払うべき?確認すべきポイント退去した後に原状回復費用を追加請求されたらどうする?立会い後に届いた修繕費やハウスクリーニング費用を確認するときのポイントを、国土交通省のガイドラインと国民生活センターの情報をもとに解説。明細や契約内容、修理範囲などを確認する方法を紹介します。
まとめ|請求項目を見たら「原因」から確認する
原状回復で請求されやすいものには、
- 壁紙
- 床
- 水回り
- 建具
- 設備
- ペット・喫煙
- 鍵
- ハウスクリーニング
など、さまざまな項目があります。
しかし、
「請求されやすい=借主が必ず払う」ではありません。
まず確認するのは、
- なぜ傷んだのか
- 契約・特約はどうなっているか
- 何年使われたものなのか
- どこまで補修が必要なのか
- 見積書の内容はどうなっているか
です。
退去費用は、
「壁紙だから借主」
「古いから貸主」
と一つの条件だけで決めることはできません。
大切なのは、
原因 → 契約 → 経過年数 → 補修範囲 → 金額
を一つずつ確認することです。
この記事は、退去時に気になる場所を見つけるための一覧として使ってください。
そして、自分に該当する場所が見つかったら、それぞれの個別記事で詳しい判断基準を確認してみてください。
参考資料
この記事では、主に以下の公的資料を参考にしています。
- 民法 第621条「賃借人の原状回復義務」
- 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」
- 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン Q&A」
- 国土交通省「賃貸住宅の入居・退去に係る留意点」
- 国民生活センター「賃貸住宅の原状回復トラブル」
国土交通省のガイドラインは、原状回復について一般的に妥当と考えられる基準を示したものです。実際の費用負担は、契約内容、特約、損傷の原因や状態などによって個別に判断する必要があります。
















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