賃貸の退去前にやることチェックリスト|退去費用・原状回復で確認したい7つのポイント

賃貸の退去前に確認する7つのポイントを紹介するチェックリスト記事のアイキャッチ画像

賃貸住宅の退去日が近づくと、

「部屋はどこまで掃除すればいい?」

「壁や床の傷は自分で直したほうがいい?」

「写真は撮っておくべき?」

「退去立会いで高い費用を請求されたらどうしよう」

と、急に気になることが増えてきます。

引っ越しの準備だけでも忙しい時期なので、何から確認すればよいのか分からなくなる方も多いと思います。

先に結論をお伝えすると、退去費用や原状回復で余計なトラブルを避けるために、退去前は次の7つを確認しておくことをおすすめします。

  1. 契約書・特約・解約条件を確認する
  2. 入居時の記録と現在の部屋を見比べる
  3. 傷・汚れ・設備の状態を写真に残す
  4. 故障や水漏れなど未報告の不具合を連絡する
  5. 通常の掃除とゴミの撤去をする
  6. 傷を自己判断でDIY補修しない
  7. 立会い・鍵返却・精算に備える

原状回復というと、

「借りたときと同じ新品の状態に戻さなければならない」

と思うかもしれません。

しかし、そうではありません。

民法621条では、通常の使用による損耗や経年変化は借主の原状回復義務から除かれています。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも、借主の故意・過失や管理不足、通常の使用を超える使い方などによる損傷を中心に借主負担を考えるとしています。

大切なのは、退去前に慌てて部屋を新品のように戻すことではありません。

現在の状態と原因を整理し、必要な記録を残しておくことです。

今回のお話は、内装・修繕・賃貸原状回復の現場に30年以上携わってきた経験も踏まえながら、退去前にやっておきたいことを順番に解説します。

「そもそも原状回復では、どこまで借主が負担するの?」という方は、最初にこちらの記事で基本ルールを確認しておくと分かりやすくなります。

賃貸の原状回復とは?通常損耗・経年変化と退去費用の基本ルールを解説
賃貸の原状回復とは?入居時の新品状態に戻すことではありません。民法621条と国交省ガイドラインをもとに、通常損耗・経年変化・故意過失の違い、借主負担、6年ルール、特約、退去費用の確認方法を現場目線で解説します。

結論|退去前は「直す」より先に7つを確認する

契約書確認から退去立会いまで賃貸の退去前に確認する7項目を示したチェックリスト図

退去前になると、

「傷を直さないと」

「もっときれいにしないと」

と考えがちです。

しかし、いきなり補修や大掃除から始める必要はありません。

まずは次の順番で確認してください。

順番確認すること主な目的
1契約書・特約負担条件を確認する
2入居時と現在の状態もともとの傷か確認する
3写真・記録現状を残す
4不具合の連絡放置による悪化を防ぐ
5通常の掃除清掃不足による負担を防ぐ
6DIY補修を急がない補修失敗を防ぐ
7立会い・鍵・精算準備退去時の行き違いを防ぐ

この7つを整理しておくだけでも、退去立会いや精算書を見るときの判断がかなりしやすくなります。

国土交通省も、原状回復トラブルを避けるためには、契約内容を正確に理解し、入退去時にチェックリストや写真を使って物件状況を確認することが有効としています。

「この傷は借主負担?貸主負担?」と迷っている方は、原因・経過年数・補修範囲などから判断する方法をこちらでまとめています。

賃貸の退去費用はどこまで借主負担?貸主負担との違いと判断基準をケース別に解説
賃貸の退去費用はどこまで借主負担になる?通常損耗・経年劣化と故意過失の違い、壁紙・床・カビ・水回りなどケース別の負担判断、6年ルールや特約、見積書の確認方法を現場目線でわかりやすく解説します。

なぜ退去前の準備が重要なのか

原状回復でトラブルになりやすい理由の一つが、

「その傷がいつ、どのようにできたのか分からない」

ことです。

入居前からあった傷なのか。

入居中にできた傷なのか。

普通に暮らしていて自然に付いたものなのか。

借主の不注意によるものなのか。

時間が経ってからでは、判断しにくくなることがあります。

国土交通省のガイドラインでも、原状回復トラブルの原因として、入居時と退去時の損耗・損傷の有無や発生時期などの事実関係が明確でないことを挙げています。

そのため、入退去時のチェックリストや写真による記録が重要とされています。

退去前に行う準備は、

「請求されないように隠すため」ではありません。

何が起きているのかを客観的に確認できるようにするためです。


チェック1|契約書・特約・解約条件を確認する

最初に見るのは部屋ではなく、賃貸借契約書です。

国土交通省も、退去する際には原状回復などに関する契約内容を確認したうえで退去手続きをするよう案内しています。

特に確認したい項目

  • 解約の申し入れ時期
  • 原状回復についての記載
  • ハウスクリーニング特約
  • 鍵交換に関する特約
  • 畳・襖などに関する特約
  • 退去時に負担すると定められている費用
  • 退去立会いの方法
  • 鍵の返却方法

などです。

「ガイドラインでは貸主負担」だけで判断しない

原状回復では国土交通省ガイドラインが重要な判断材料になります。

ただし、実際の契約内容も確認する必要があります。

国土交通省は、現在締結されている契約については契約内容に沿った扱いが原則であり、契約条項が曖昧な場合などにガイドラインを参考に話し合うという位置付けを示しています。

また、特約だから何でも有効になるわけでもありません。

借主に通常以上の負担を求める特約については、借主がその内容を認識して合意しているかなども重要になります。

そのため退去前には、

契約書とガイドラインの両方を見る

と考えておくとよいでしょう。

鍵をなくしていないのに鍵交換費用が気になっている方は、通常の交換と特約がある場合の違いをこちらで解説しています。

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ハウスクリーニング特約については、契約書のどこまで確認すればよいのかをこちらの記事で詳しく解説しています。

退去時のハウスクリーニング費用は借主負担?賃貸の原状回復で請求されるケースと判断基準
退去時のハウスクリーニング費用は借主が払う?国土交通省のガイドラインをもとに、通常の清掃と特約による費用負担の違い、請求されたときの確認ポイントを現場目線で解説します。

チェック2|入居時の記録と現在の部屋を見比べる

次に、部屋全体を確認します。

いきなり、

「これは直さなければ」

と考える必要はありません。

まずは、

入居したときと比べて何が変わったのか

を整理します。

入居時に撮った写真。

管理会社へ提出した入居時チェックシート。

メールやアプリで送った不具合の報告。

こうした記録が残っていれば確認してください。

部屋を見るときは場所ごとに確認する

例えば、

壁・天井

  • 壁紙の破れ
  • 大きな穴
  • ヤニ
  • カビ
  • 天井のシミ

  • フローリングの傷
  • クッションフロアの傷・へこみ
  • 焦げ
  • 大きなシミ

水回り

  • カビ
  • 水垢
  • 尿石
  • 油汚れ

設備・建具

  • エアコン
  • 室内ドア
  • 網戸
  • 窓ガラス

などです。

ただし、

傷が見つかった=借主負担

ではありません。

ここでは負担を決めるのではなく、まず現状を把握します。

部屋全体を確認するときに「どこを見ればいいの?」という方は、退去時に請求されやすい場所をこちらで一覧にしています。

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賃貸の原状回復で請求されやすい項目を一覧で解説。壁紙・床・カビ・水回り・建具・設備・ペット・鍵・ハウスクリーニングなど、借主負担になるケースと判断基準、6年ルールや見積書の確認方法を現場目線で紹介します。

床に気になる傷がある場合は、床材の種類も確認しておきましょう。

フローリングとクッションフロアでは、原状回復における経過年数の考え方が異なります。

クッションフロアのへこみや変色が気になる方は、6年ルールや張替え範囲をこちらで詳しく解説しています。

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チェック3|傷・汚れ・設備の状態を写真に残す

退去時の傷を部屋全体・傷の位置・傷のアップの3段階で写真に残す方法を示した図

部屋の確認ができたら、写真を撮ります。

国土交通省や国民生活センターも、入退去時に写真やメモで物件の状態を記録しておくことを勧めています。

写真は「アップだけ」にしない

例えば壁紙に傷があった場合、

傷だけを大きく撮影しても、

「部屋のどこにある傷なのか」

が後から分からなくなることがあります。

おすすめは、

①部屋全体
②傷がある位置が分かる写真
③傷そのもののアップ

の3段階です。

床やドア、窓ガラスでも同じです。

日付が分かる状態で保存する

スマートフォンで撮影した写真は撮影日時が記録されます。

削除せず、退去費用の精算が終わるまでは残しておくことをおすすめします。

必要に応じて動画を補助的に撮っておいてもよいでしょう。

特に気になる場所はメモも残す

例えば、

「入居時からあった」

「○月頃に管理会社へ連絡済み」

「何もぶつけていないが窓ガラスにひびが入った」

といった情報です。

写真だけでは分からない事情を簡単にメモしておくと、後で整理しやすくなります。

身に覚えのない窓ガラスのひびについては、熱割れ・自然発生・衝撃による破損の見方をこちらで解説しています。

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チェック4|故障や水漏れなど未報告の不具合を連絡する

退去前に部屋を確認すると、

「そういえばエアコンから水が漏れていた」

「窓ガラスにひびがある」

「洗面台の下から少し水が漏れている」

など、不具合に気付くことがあります。

こうしたものは、

退去まで黙っておくのではなく、管理会社や貸主へ連絡してください。

民法615条では、賃借物が修繕を必要とする場合、借主は遅滞なく貸主へ通知する義務を定めています。

国土交通省のQ&Aでも、水漏れなどを貸主に知らせず被害が広がった場合には、損害賠償を求められる可能性があると説明しています。

つまり、

故障したこと自体に借主の責任がなくても、放置して被害を広げると話が変わることがあります。

例えば、

小さな水漏れを放置して床まで腐らせた。

結露を長期間放置してカビを広げた。

設備の異常を知りながら使い続けた。

といったケースです。

「もうすぐ退去だからいいだろう」

とは考えず、気付いた時点で連絡しておきましょう。


チェック5|通常の掃除とゴミの撤去をする

退去前は通常の掃除を行い自己判断による無理なDIY補修を避けることを示した比較図

退去前には、通常の清掃をしておきます。

国土交通省のガイドラインでは、

  • ゴミの撤去
  • 掃き掃除
  • 拭き掃除
  • 水回りの清掃
  • 換気扇やレンジ周りの油汚れの除去

などを通常の清掃として挙げています。

また、通常の清掃を怠ったことによって、特別な清掃が必要なカビや汚れを生じさせた場合には、借主の善管注意義務違反となる可能性があります。

新品のようにする必要はない

ここで重要なのは、

「通常の掃除」と「新品のように戻すこと」は別

という点です。

長年住んでいれば、

多少の色あせ。

通常の使用による擦れ。

経年による変化。

などは発生します。

これらまで自分で消そうとする必要はありません。

掃除しておきたい場所

特に確認したいのは、

  • キッチンの油汚れ
  • レンジフード
  • 浴室の水垢やカビ
  • トイレの尿石・黄ばみ
  • 洗面台
  • 窓周辺
  • ゴミや残置物

などです。

キッチンの油汚れがどこから借主負担になるのか気になる方は、こちらの記事で判断基準を解説しています。

キッチンの油汚れは原状回復になる?賃貸の退去費用で借主負担になるケースと判断基準
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水回りは「汚れているか」だけでなく、通常の清掃で落とせる程度か、長期間放置して固着しているかも判断材料になります。

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クリーニング特約があっても契約を確認する

「どうせハウスクリーニング費用を払うから、何も掃除しなくてもいい」

とも一律には言えません。

クリーニング特約の内容は契約によって違います。

通常清掃まで免除される内容なのか、専門業者によるクリーニング費用だけを負担する契約なのか、確認してください。


チェック6|傷を自己判断でDIY補修しない

退去前になると、

「ホームセンターで補修材を買えば直せそう」

と考える方もいます。

しかし、ここは少し慎重になったほうがよいところです。

小さな傷を大きくしてしまうことがある

実際の現場でも、

壁紙の破れに接着剤を多く使って周囲まで変色している。

床の傷に色を塗ったものの、色が合わず逆に目立っている。

補修材を削ろうとして周囲まで傷めている。

といった状態を見ることがあります。

もともとは小さな補修で済んだものが、手を加えたことで補修範囲が広がることもあります。

「自分で直してはいけない」と一律に決まっているわけではない

国土交通省のQ&Aでは、契約書で貸主や指定業者が原状回復工事を行うと定めている場合はそれに従う必要がある一方、契約内容によっては借主自身で修繕できる場合もあるとしています。

つまり、

DIYがすべて禁止というわけではありません。

ただし、材料・仕上げ・施工方法が合っていなければ、やり直しを求められる可能性があります。

そのため退去直前の補修は、

契約書を確認し、必要なら管理会社へ相談してから

が安全です。

特に、

  • 壁紙
  • フローリング
  • クッションフロア
  • ドア
  • ガラス
  • 設備

などは、無理に触らないほうがよいケースがあります。


チェック7|立会い・鍵返却・精算に備える

最後に、退去当日の準備です。

鍵を何本返すのか確認する

入居時に、

  • 玄関鍵
  • 合鍵
  • 宅配ボックスなどの鍵

を何本受け取ったのか確認してください。

鍵を1本なくしている場合は、防犯上シリンダー交換が必要となり、借主負担になる可能性があります。

鍵が1本見つからない場合や、鍵交換費用を請求されそうで不安な方はこちらの記事で確認してください。

退去時の鍵交換費用は借主負担?賃貸で請求されるケースと特約の確認ポイント
退去時の鍵交換費用は借主負担?鍵を紛失・破損していない場合と借主負担になるケース、鍵交換特約の確認方法、入居時にも費用を払った場合の考え方を国土交通省ガイドラインをもとに現場目線で解説します。

立会いでは「何を確認しているサインか」を見る

退去立会いで、

「ここにサインしてください」

と言われることがあります。

このとき確認したいのは、

単に傷があることを確認するサインなのか、費用負担まで了承する内容なのか

です。

国土交通省Q&Aでも、単に損傷があることを確認したサインであれば、原状回復費用の負担まで了承したとは考えられない場合があるとしています。

一方、損傷について借主が費用を負担することまで了承した場合には、その確認内容が重要になります。

分からない内容があれば、その場で質問してください。

退去立会いでどこを確認し、どんなサインに注意したらよいのかはこちらで詳しくまとめています。

賃貸の退去立会いでサインする前に確認すること|費用負担で後悔しない7つのポイント
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精算書・見積書は総額だけを見ない

退去後には原状回復費用の見積書や精算書が届くことがあります。

確認したいのは、

  • どの場所なのか
  • 何が原因なのか
  • どこまで補修するのか
  • 経過年数が考慮されているか
  • 特約による請求なのか
  • 数量・単価・工事内容

などです。

国土交通省は、敷金から原状回復費用を差し引く場合、借主は明細を請求し説明を求めることができるとしています。

見積書が届いて「何を見ればいいのか分からない」という方は、こちらの記事で確認する順番を解説しています。

退去費用の見積書はどこを見る?原状回復費用の内訳と確認ポイント
退去後に届いた原状回復費用の見積書は、どこを確認すればいい?クロス・床・ハウスクリーニングなどの内訳や、借主負担になる範囲、経過年数、特約、見積金額の確認ポイントを現場経験のある職人が分かりやすく解説します。

NG行動|退去前にやらないほうがよいこと

傷を見つけて慌てて隠す

まず原因と状態を記録してください。

隠すための補修が、さらに大きな傷になることがあります。

写真を撮る前に全部片付けてしまう

荷物を出したあとの室内は、傷や汚れを確認しやすいタイミングです。

掃除や補修を始める前に、気になる場所は記録しておきましょう。

故障を退去日まで黙っておく

借主に原因のない故障でも、放置して損害を拡大させれば別の問題になる可能性があります。

「クリーニング代を払うから掃除しなくていい」と決めつける

契約内容によって扱いが違います。

通常の清掃はしておくのが基本です。

「傷があるから全部自分が払う」と考える

通常損耗や経年変化まで借主が原状回復するわけではありません。

分からない内容の書類にそのままサインする

傷の存在確認なのか、費用負担への合意なのかを確認してください。


職人目線|退去前に「きれいに直す」より大切なこと

職人が退去時の傷を原因・程度・材料の古さ・補修範囲・費用負担の順で確認することを示した図

原状回復の現場に入ると、

「退去前に自分で何とかしようとしたんだろうな」

という状態を見ることがあります。

壁紙に補修剤。

床に色を塗った跡。

ドアのへこみにパテ。

無理に落とそうとして艶がなくなった床。

本人は、

「少しでもきれいにして返そう」

と思ったのだと思います。

その気持ちは分かります。

ただ、現場から見ると、手を加えなければ簡単に直せたものが、補修によって広い範囲の工事になっていることがあります。

私なら、退去前に傷を見つけたら、

まず直すのではなく、原因と状態を確認します。

見る順番は、

①何が原因なのか
②どの程度傷んでいるのか
③どのくらい古い材料なのか
④部分補修できるのか
⑤契約上どちらの負担なのか

です。

例えば同じ床の傷でも、

家具を普通に置いた跡。

家具を引きずった傷。

経年で表面が傷んだもの。

水を放置して傷んだもの。

では判断が違います。

退去前の読者に一番伝えたいのは、

「傷を発見したら、すぐ直す」ではなく「まず記録して原因を整理する」

ということです。

そのほうが、退去時にも説明しやすくなります。


退去費用を請求されたらどうする?

きちんと準備をしていても、退去後に費用が発生することはあります。

借主の不注意で付けた傷など、実際に借主側の負担となる費用もあります。

大切なのは、

請求があること自体ではなく、その根拠が分かるか

です。

請求されたら、

  1. 借主負担となった原因
  2. 工事する範囲
  3. 経過年数
  4. 数量と単価
  5. 契約上の特約

を確認してください。

「高いから払わない」

でも、

「請求されたから全部払う」

でもありません。

内容を一つずつ確認します。

国民生活センターも、納得できない原状回復費用については、国土交通省ガイドラインを参考にしながら貸主側へ明細等の説明を求め、話し合うよう案内しています。

すでに退去費用を提示されて「高い」と感じている方は、金額だけで判断する前にこちらの確認手順を参考にしてください。

退去費用が高すぎると感じたら?請求内容の確認方法と納得できないときの対処法【賃貸】
退去費用が高すぎると感じたら何を確認する?借主負担の原因、補修範囲、6年ルールなどの経過年数、見積書の内訳・単価・特約を確認する順番と、納得できない場合の対処法を現場目線で解説します。

退去が終わったあとから追加の原状回復費用を請求された方は、こちらの記事で確認する順番を解説しています。

退去後に追加請求された!原状回復費用は払うべき?確認すべきポイント
退去した後に原状回復費用を追加請求されたらどうする?立会い後に届いた修繕費やハウスクリーニング費用を確認するときのポイントを、国土交通省のガイドラインと国民生活センターの情報をもとに解説。明細や契約内容、修理範囲などを確認する方法を紹介します。

まとめ|退去前は7つを順番に確認すれば慌てなくていい

退去前は、引っ越しの荷造りや手続きもあり、やることが多くなります。

原状回復についてまで、

「全部完璧にしなければ」

と考える必要はありません。

まずは、

  1. 契約書・特約・解約条件を確認する
  2. 入居時の記録と現在の部屋を見比べる
  3. 傷・汚れ・設備の状態を写真に残す
  4. 故障や水漏れなど未報告の不具合を連絡する
  5. 通常の掃除とゴミの撤去をする
  6. 傷を自己判断でDIY補修しない
  7. 立会い・鍵返却・精算に備える

この7つを順番に確認してください。

一番大切なのは、

「きれいに見せること」より「現在の状態を正しく確認すること」です。

通常損耗や経年変化まで借主が新品に戻す必要はありません。

反対に、自分の不注意で傷めた部分や、手入れ不足によって悪化させたものについては、借主負担になる可能性があります。

だからこそ、

契約内容・原因・写真・経過年数・補修範囲

を一つずつ確認することが大切です。

退去前にこの準備をしておけば、立会いや見積書を前にしても、

「何を確認すればいいのか分からない」

という状態を減らせます。

慌てて直す前に、まず確認する。

これを退去前の基本として覚えておいてください。

部屋を確認して「これは私が払うの?」という傷や汚れが見つかった方は、借主負担と貸主負担の判断基準をこちらでまとめています。

賃貸の退去費用はどこまで借主負担?貸主負担との違いと判断基準をケース別に解説
賃貸の退去費用はどこまで借主負担になる?通常損耗・経年劣化と故意過失の違い、壁紙・床・カビ・水回りなどケース別の負担判断、6年ルールや特約、見積書の確認方法を現場目線でわかりやすく解説します。

参考資料

この記事では、主に以下の公的資料を参考にしています。

  • e-Gov法令検索「民法 第615条(賃借人の通知義務)」
  • e-Gov法令検索「民法 第621条(賃借人の原状回復義務)」
  • 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」
  • 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン Q&A」
  • 国土交通省「賃貸住宅の入居・退去に係る留意点」
  • 国民生活センター「賃貸住宅の原状回復トラブルにご注意!」

国土交通省のガイドラインは、原状回復の費用負担について一般的に妥当と考えられる基準を示したものです。実際の負担は、契約内容や損傷の原因、使用状況などによって個別に判断する必要があります。

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