賃貸の排水口が臭い…掃除しても消えないときは?管理会社へ相談する目安

賃貸の排水口を掃除しても臭いが戻り困っている女性のアイキャッチ画像

排水口を掃除した。

水も流した。

パイプクリーナーも試した。

そのときは少し良くなった気がするのに、翌日や数日すると、また下水のような臭いがする。

「まだ掃除が足りないの?」

「検索すると違う方法が次々出てくるけど、全部試さないとダメ?」

「管理会社に相談することもできる?」

そんな状態なら、同じ掃除を繰り返す前に、次の確認へ進んでよい段階かもしれません。

先に結論をお伝えします。

基本的な掃除や水を流す対応をしても臭いが消えない、または何度も戻るなら、見える汚れ以外の要因が関係している可能性があります。

排水口には下水の臭いを室内へ上げにくくする仕組みがあり、見える汚れ以外の部分が関係する場合もあります。

だからといって、自分で原因まで突き止める必要はありません。

この記事では、

・もう掃除方法を増やさなくてよい目安
・自分で確認しておきたい状態
・これ以上触らないほうがよいこと
・管理会社へ相談する目安
・管理会社へ何を伝えればよいか

を順番に説明します。

掃除しても臭いが戻るなら、次の掃除方法を探し続けなくていい

Q.排水口を掃除しても、また臭います。まだ掃除不足ですか?

これだけでは、掃除不足とは判断できません。

住宅設備機器・建材メーカーのLIXIL(リクシル)では、キッチンの排水口が臭う場合、水を流す、排水部を清掃する、排水トラップや排水管を確認するといった順番で対処し、それでも改善しない場合は点検・修理を案内しています。

住宅設備機器の製造販売を行うTOTO(トートー)でも、浴室の排水口について、汚れの清掃だけでなく、排水トラップに水がたまっているか、部品が正しく取り付けられているかなどを確認するよう案内しています。

つまり、

「臭う=もっと掃除すれば必ず直る」

とは限りません。

すでに見える範囲を掃除し、水も流した。

それなのに臭いが戻る。

その状態なら、次に探すものは「もっと強い掃除方法」ではなく、

「今、どんな状態なのか」です。

「それはもうやった」という人へ|掃除方法を全部試す必要はない

排水口の臭い対策をいろいろ試しても改善せず困っている様子

排水口の臭いを検索すると、

「重曹+クエン酸」
「お酢を使う」
「パイプクリーナー」
「お湯を使う」

など、さまざまな方法が見つかります。

重曹やクエン酸を使う清掃方法については、東京ガスなどが公式情報として紹介している例もあります。

ですから、

「重曹+クエン酸なんて全部間違い」

という話ではありません。

それで汚れや臭いが改善したなら、それで問題は解決です。

でも、この記事を読んでいる方の中には、

「それはもう見た」
「もう試した」
「そのときは良かったけれど、また臭ってきた」

という方もいると思います。

その段階で、検索するたびに見つかる別の掃除方法を一つずつ全部試す必要はありません。

この記事でも、

「次はこれを試してみましょう」

とさらに効果的な掃除方法を紹介するつもりもありません。

掃除しても臭いが戻るという事実自体が、次の確認へ進むための大切な情報だからです。

すでに洗浄剤を使った人は、別の薬剤を自己判断で足さない

ここは注意してください。

すでに市販の洗浄剤などを使っている場合、別の洗剤や酸性の製品などを自己判断で続けて使わないでください。

消費者庁では、塩素系製品と酸性タイプの製品を一緒に使うと有害な塩素ガスが発生する危険があるとして、「まぜるな 危険」などの表示基準を定めています。

使った製品がある場合は、別の方法を追加する前に、まずその製品の注意表示や取扱説明を確認してください。

掃除しても臭うのは、見える汚れだけが原因ではない可能性も

排水口には、下水側から臭いが上がってくるのを防ぐ仕組みがあります。

代表的なのが「排水トラップ」です。

排水トラップには水をためることで臭いや虫の侵入を防ぐ仕組みがあり、この水を「封水(ふうすい)」と呼びます。

長期間使われていないなどの理由で封水が減っている場合は、水を流すことで改善することもあります。

一方で、LIXILでは、排水口の部品の状態や、シンク下の防臭キャップ、接続部分などが臭いに関係する場合についても案内しています。

つまり、

表面をきれいにした=排水まわりのすべてを確認できた

ということではありません。

ただし、

「掃除しても臭うから防臭キャップが原因だ」
「ゴボゴボいうから排水管が壊れている」

などと、自分で原因を決める必要もありません。

設備や排水口の形によって構造は違います。

原因を特定するより、管理会社へ伝えられる「今の状態」を整理することのほうが大切です。

原因を特定しなくていい|確認するのは「今の状態」

管理会社や業者へ相談するときに役立つのは、原因の予想よりも事実です。

まずは次の内容を確認してみてください。

確認すること見るポイント
水を流したあと臭いが弱くなるか、それとも変わらないか
掃除したあとすぐ戻るか、翌日や数日後に戻るか
水の流れ普通に流れるか、以前より遅くないか
排水音ゴボゴボなど以前と違う音がないか
臭う場所キッチン・浴室・洗面・洗濯機まわりなど
臭う箇所1か所だけか、複数箇所か
いつから入居直後からか、最近始まったのか
試したこと掃除、水を流す、使用した洗浄剤など

全部の原因を理解する必要はありません。

たとえば、

「掃除すると一度は消えるけれど、2~3日するとまた臭う」

これだけでも十分な確認結果です。

原因名ではなく、起きている事実を覚えておいてください。

排水口の臭いについて流れや音や再発状況を確認する図

臭いだけでなく流れが悪い・ゴボゴボするなら詰まり側も確認

臭いに加えて、

水の流れが以前より遅い。

排水に時間がかかる。

以前はしなかったゴボゴボ音がする。

水がたまりやすくなった。

といった状態もある場合は、排水管側の汚れや詰まりについても確認が必要になることがあります。

ただし、

「ゴボゴボ音=必ず詰まっている」

とは判断できません。

TOTOでも、水を一度に流したときなど、配管内の空気によって排水音が発生する場合があると案内しています。

臭いだけなのか。

流れにも変化があるのか。

そこを分けて確認してください。


臭いだけでなく「水の流れも悪い」「詰まりそう」と感じる場合は、排水管の詰まりについてもこちらで確認できます。

賃貸の排水口・排水管が詰まったら誰が払う?キッチン・浴室・洗面の修理費
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ここから先は無理に触らなくていい

Q.もっと奥まで掃除すれば、自分で直せませんか?

無理に作業範囲を広げることはおすすめしません。

掃除しても直らないからといって、

別の薬剤を次々使う。

奥まで道具を押し込む。

よく分からない部品を外す。

排水ホースや接続部分を自己判断で分解する。

といった方向へ進む必要はありません。

設備によって構造は違います。特に、奥まで道具を入れる、接続部分を外す、よく分からない部品を分解するといった作業まで無理にする必要はありません。

作業に失敗すると、臭いが直らないだけでなく、部品の破損や水漏れなど別の問題を増やす可能性があります。

特に賃貸では、自分の物ではない設備もあります。

ここから先は、

「自分でできる方法をもっと探す」

のではなく、

「設備側を確認してもらう必要があるか」

を考える段階です。

管理会社へ相談してよい目安

Q.排水口が臭うくらいで、管理会社へ連絡しても大丈夫ですか?

基本的な対応をしても改善しないなら、相談して構いません。

たとえば、

・水を流しても改善しない
・見える範囲を掃除しても臭いが戻る
・何度掃除しても再発する
・水の流れにも変化がある
・以前と違う排水音が続く
・自分では確認できない場所から臭う
・生活していて気になる状態が続いている

といった場合です。

「もっと自分で何かしなければ」

と考えて、無理に設備へ手を加える必要はありません。

賃貸の場合は、自己判断で業者へ修理を頼む前に、管理会社や貸主へ連絡しておくほうがトラブルを避けやすくなります。

管理会社には原因ではなく「事実」を伝えればOK

管理会社へ連絡するとき、

「排水トラップが壊れていると思います」

「配管施工が悪いと思います」

などと原因を断定する必要はありません。

伝えてほしいのは、

どこが臭うのか。

いつからなのか。

何を試したのか。

そのあとどうなったのか。

水の流れや音はどうなのか。

です。

排水口の臭いについて原因を決めつけず、試したことや現在の状態を管理会社へ伝える方法を示した図

そのまま使える連絡文

「キッチンの排水口から下水のような臭いが続いています。見える範囲の掃除と水を流す対応をしましたが、数日するとまた臭います。水の流れは今のところ普通です。設備側に問題がないか、一度確認していただけますか?」

水の流れも悪い場合は、

「最近は水の流れも以前より遅く感じます。」

ゴボゴボ音がある場合は、

「排水するときに以前はなかったゴボゴボという音もします。」

など、自分で確認できた事実だけ追加してください。

原因が分からなくても、

「分かりません」

で構いません。

原因を調べてもらうために連絡するのですから、自分で答えを用意する必要はありません。

修理費は借主負担になる?

Q.管理会社に連絡したら、修理費を請求されませんか?

これだけでは判断できません。

臭いの原因や設備の状態、契約内容などを確認する必要があります。

国土交通省の「賃貸住宅標準契約書」は法令で使用が義務付けられた契約書ではありませんが、住宅を使用するために必要な修繕は原則として貸主が実施し、借主側の責任によって必要になった修繕では借主が費用を負担するという考え方が示されています。

そのため、

「管理会社へ相談した=借主が修理費を払う」

ということではありません。

一方で、異物を流したなど借主側の使い方が原因と確認された場合は、費用負担が発生する可能性があります。

まず原因を確認することが先です。


設備側の不具合だった場合に「誰が修理するのか」「費用は誰が負担するのか」を確認したい方はこちらも参考にしてください。

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入居したばかりで排水口が臭う場合は?

しばらく人が住んでいなかった部屋では、排水トラップ内の水が減っている場合があります。

その場合は、水を流すことで臭いが改善することがあります。

これはLIXILやTOTOでも案内されている確認方法です。

ただし、

水を流した。

掃除もした。

それでも臭いが続く。

という場合まで、

「入居したばかりだから仕方ない」

と我慢する必要はありません。

大切なのは、入居何日目かよりも、

基本的な対応をしたあとに臭いがどう変化したかです。

職人目線|「臭いがする」だけで原因を決めない

現場でも、

「排水口から臭いがする」

という情報だけで原因を特定することは難しいです。

どこから臭うのか。
水の流れはどうか。
排水口や接続部分はどうなっているか。
臭いを防ぐための部分が正常な状態か。

そうしたところを順番に確認していきます。

私が見た現場では、排水管との接続部分にある防臭用のゴム部品がずれ、そこから臭いが上がっていたこともありました。

メーカーや設備によって「防臭キャップ」「防臭ゴム」など呼び方や構造は異なります。

また、キャビネット内の物が排水部分に当たったり、物を詰め込み過ぎたりしたことで排水部分が動き、防臭用のゴム部品にすき間ができていたケースもありました。

ただし、

「だったら自分の家もそこが原因では?」と、シンク下を分解してまで確認する必要はありません。

臭いの原因は一つではありません。

設備によって構造も違いますし、見ただけでは分からないこともあります。

だから読者の方も、原因を当てるところまで頑張る必要はありません。

「掃除しても数日でまた臭う」
「水を流しても変わらない」
「流れも少し悪くなった」

そこまで確認できれば、次の人へ渡す情報として十分十分役立ちます。

排水口の臭いだけで原因を決めず、水の流れや接続部などを順番に確認する職人の図

Q&A|掃除しても消えない排水口の臭い

Q.重曹とクエン酸をまだ試していません。先にやったほうがいいですか?

必ず試さなければならない方法ではありません。

清掃方法は設備や製品によって異なります。

すでに別の洗浄剤を使っている場合は、さらに別の薬剤を自己判断で追加せず、使用した製品の注意表示を確認してください。

Q.掃除した直後だけ臭いが消えます。掃除不足ですか?

これだけでは判断できません。

一度改善しても何度も臭いが戻るなら、

「掃除すると一度消えるが、数日後に再発する」

という状態をそのまま管理会社へ伝えてください。

Q.水は普通に流れます。それでも設備側の問題はあり得ますか?

臭いだけでは原因を判断できません。

水の流れが普通でも、排水口の仕組みや接続部分などを確認する必要がある場合があります。

原因を自分で決めず、基本的な清掃をしても改善しないことを管理会社へ伝えてください。

Q.自分で水道業者を呼んでもいいですか?

賃貸では、先に管理会社や貸主へ確認するほうが安全です。

修理の手配方法や指定業者が決まっている場合もあるためです。

Q.「掃除不足では?」と言われそうで連絡しづらいです

何を試したかを、そのまま伝えてください。

「排水口を掃除した」
「水を流した」
「数日するとまた臭う」

という事実があれば、それを伝えれば十分です。

原因を説明できないことを気にする必要はありません。

まとめ|必要なのは、掃除方法を増やすことではなく次の一手を決めること

賃貸の排水口が臭うとき、最初に見える汚れを掃除したり、水を流したりすることは大切です。

でも、

掃除した。

水も流した。

洗浄剤も試した。

それでも臭いが戻る。

という状態なら、次々と別の掃除方法を探し続ける必要はありません。

確認したいのは、

いつから臭うのか。

どこが臭うのか。

掃除するとどう変わるのか。

水の流れや音に変化はないか。

といった今の状態です。

原因まで自分で突き止める必要はありません。

基本的な対応をしても改善しないなら、

「ここまで試しました。それでも臭いが続きます」

と管理会社へ伝えてください。それで十分です。

排水口の臭いが続くと、家にいるだけなのに気になってしまい、「まだ何か自分でできることがあるのでは」と何度も調べたくなることがあります。

でも、原因探しまで一人で抱え込む必要はありません。

ここまで確認できたら、次に進む準備はできています。

家は、本来、臭いの原因を考え続けながら過ごす場所ではありません。

もう一人で「次は何を試そう」と探し続けず、専門的なことは管理会社や専門家に任せて、臭いを気にせず普通に過ごせる状態へ戻すため、

次の一歩に進んでください。

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