そもそも原状回復のルール自体が分からない方は、
「原状回復とは?」を先に確認しておくと全体が理解しやすいです。
壁紙が破れたら請求される?【結論】
これは「破れた理由」によって修理費用を請求されるかどうかが決まります!
入居者が故意・過失で発生させた場合は請求対象となります
ただし、地震などの災害や、自然的に劣化している壁紙が破れてしまった場合は請求されません
請求されるかは「原因」で決まる【理由】
民法(第621条)では、 「入居者の不注意で壊したものは直す義務があり、普通に暮していて起きた劣化は直さなくてもいい」とルールが決められているからです
壁紙が破れたとき請求されるケース・されないケース
請求されるパターン(入居者の責任:故意・過失によるもの 「B」)
- 家具や物をぶつけた
- ペットのひっかき傷
- 強力なテープをはがすときに一緒に破れた
- 子供が落書きした
- 部屋でタバコを吸って壁紙を黄色くした・臭いをつけた
- 手入れを怠ったことによるカビや結露のひどい放置
- その他
請求されないパターン(大家さんの責任:主に不可抗力の場合 「A」)
- 地震などの災害で壁に亀裂が入り、壁紙が破れた
- 冷蔵庫を置いていた後ろの黒ずみ(電気ヤケ)
- 経年劣化で自然にはがれて(破れて)きた
- 日光による自然な変色
- 明らかに入居者または貸借人側の責任では無いと明確な理由がある場合 など

壁紙の原状回復で重要な「6年ルール」とは?
ポスターやカレンダーを貼っていた部分と周りの壁紙との色合いの差が出来て不自然になってしまった、、、など
そんな場合でも、壁紙は「6年住むと壁紙の価値はほぼゼロ(1円)」になるルールがあります。住んでいる期間が長ければ、修理費を支払う金額は安くなるということです
じゃあ、3年住んだ場合は?というと6年の半分なので50%の負担割合が目安です
2年だと約70〜80%負担、4年だと約30〜40%負担という考え方が一つの目安です
(負担割合は状況などにより多少変化します)
住んだ年数で負担割合は減少していきます(減少します)
つまり100%を6年で割ると16.7%(四捨五入)ずつ負担が減少し、6年以上経過すると「負担はありません」という考え方です
※この「6年ルール」は、国土交通省の
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に基づく考え方です。
👉 参考:国土交通省
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について
退去時に損しないための【対処法】
- 破れた状況を写真に残す
「いつ・どのようにやぶれたか」が後からわかるように、スマホやデジカメで撮影しておく - 退去手続きのときに正直に伝える
不動産屋さんや大家さんに「家具をぶつけてこの部分(写真)をやぶいてしまいました」と理由を正直に伝える - 見積書をしっかりと確認する
6年ルール(住んだ年数)がしっかり考慮された金額になっているか?をチェックしましょう - 「入居時の写真があると強いです」
入居時の写真があれば必ず確認する。最初からあった傷かどうかの証拠になります
やってはいけないNG行動
- 自分で勝手にDIY補修する
市販の補修材や壁紙専用の接着剤を使用したとしても、知識不足で施工すると、かえって傷みが広がってしまったり、DIYによる不完全な補修は余計に修理費用を請求される原因にもなります - 破ってしまったことを隠そうとする
家具やポスターなどで隠したり、黙っていたりしても退去チェック時に必ずバレます。嘘をつくと一気に信用を失い、その後の話し合いでも常に疑われ、トラブルになりやすいです - 提示された原状回復などの修理費の見積を、言われるがままに全額支払う
職人目線で見るリアルな判断
DIY補修がバレる理由
◆自分で勝手にDIY補修をする
実はこれ、あるあるです。よかれと思って頑張ってDIYされた箇所でも、専門知識がないままだと使った材料や施工方法、仕上がりでバレてしまいます。一見キレイに仕上がっているように見えても、プロが見ると光の反射や角度、 柄のわずかなズレで見抜けてしまうものです
DIYについては賃貸借契約書に書かれている場合がありますので、内容を確認しながら自身で対応できるかどうか?また不安な場合は大家さんや管理会社へ相談するのが安全です
勿論、『やってみよう』とチャレンジする気持ちは素晴らしいと思います!ただ、もしDIYされるのであれば、退去時のリスクを考え、 しっかり知識を得たうえで、まずは似たような素材で試したり練習したりしてからチャレンジすると、綺麗に仕上がる可能性が高くなると思います
隠しても分かる理由
◆破ってしまった(壊してしまった)ことを隠そうとする
万が一、破ってしまったり壊したりしてしまっても隠さないことが大切です
退去時の立ち合いではプロが細かくチェックするため、隠そうとしたり「最初からこうでした」と言っても、多くの場合すぐに分かってしまいます。相手はそのような経験を数多くしているので、最初から正直にお話いただくのが一番スムーズです
ちなみに、退去時の原状回復でよくある勘違いが**「すべて新品に戻さなきゃいけない」**というもの。
実はそんなことはありません!普通に生活していて自然と古くなった分(経年劣化など)は大家さん側の負担になりますし、壁紙の張り替え時に請求される負担額も住んだ年数(6年ルール)によってしっかり考慮されます
立ち合い人や管理会社は、決して「お金をしぼりとる敵」ではなく、決まったルールに基づいて一緒に確認をしてくれる存在です。構え過ぎず、ぜひ安心して正直に相談してくださいね!
見積もりで損するケース
◆提示された原状回復などの見積を、言われるがままに全額支払う
退去費用で後悔しないためのポイント
退去時にもらう見積もりは、「言われるがまま、その場ですぐ受け入れて払ってしまう」と、実は本来払わなくていい分まで負担してしまう場合があります。
これは管理会社や大家さんに悪気があるわけではなく、単純な計算漏れや、専門業者に見積もり箇所の伝達ミスなどが原因で、全体の張り替えの見積をそのまま載せてしまっていることがあるためです。(本来あってはならないことですが・・・)
お互いに気持ちよく退去を終えるために、知っておくと安心なポイントをまとめました!
よくある「払わなくていいかも?」な事例
- 住んだ年数が考慮されていない
(例:5年住んだ部屋で壁紙を破いてしまった時、全額の請求になってしまっている)
👉 実は… 壁紙などは「住んだ年数(6年ルール)」によって価値が下がるため、長年住んでいたなら払う割合はぐっと少なくなります! - 傷ついた場所より広い範囲の請求になっている
(例:壁の一部分のキズなのに、部屋全体の張り替え費用になっている)
部屋を4面で考えた場合、傷をつけてしまった1面の分を支払うのが基本的な考え方です
損をしないための「3つの安心ステップ」
- ステップ1:言われるがままその場でサインせず「一度持ち帰る」
立ち会いの当日に「一か所の破れなのに壁紙の張り替えでこんなに修理費がかかるの?」と不安に思ったときは、「一度持ち帰ってじっくり確認させてください」とお伝えして持ち帰りましょう。じっくり見直す時間をつくることが一番の防衛策です。 - ステップ2:内訳を詳しく見せてもらう
もし「〇〇賃貸住宅 原状回復費用 一式 〇〇円」のように大雑把な見積もりだったら、「どの場所の補修か、詳しい内訳を教えていただけますか?」と優しく尋ねてみましょう。 - ステップ3:「ガイドライン」を一緒に確認する
もし、退去費用が「高いかも?」と感じたら、「国のガイドライン(経年劣化の考慮など)に沿った計算になっていますか?」と確認してみるのがおすすめです。これだけで賃貸住宅の退去時に壁紙の張替え費用が適正な金額に見直してもらえることがあります。
メッセージ
退去時の見積もりに納得がいかない時は、**「一度落ち着いて持ち帰って確認する」**のが一番のコツです。分からないことがあれば決して一人で抱え込まず、消費生活センター(188)などに「これって普通ですか?」と気軽に相談してみてくださいね。
- 退去費用を「少しでも安く済ませたいから」という一方的な理由ではなく、正当な補修費用はもちろん払うべきですが、知識を持つことで無駄な出費をしっかり防ぐことができます
壁紙の張り替え費用はいくら?~原状回復での修理費の目安~
費用の目安と計算方法
平均的な金額になりますが、部屋の壁一面あたりの修理費の目安は
約3万~5万円が目安です。これは、職人の出張費や作業費が設定されているので、たった一面の作業であっても、数千円では施工できません。また、柄合わせや部分補修の場合でも1面全体の修理費の請求になることが多いです。なぜなら、壁紙は数年経つと同じ柄を入手することが非常に困難な場合がある為、部分的な補修ができないケースがあるからです
平米単価の目安は約1,000〜1,500円/㎡位が相場です
計算方法:(施工面積)×(㎡単価)+ 諸経費
工事には、材料費、施工費、古い壁紙の撤去・処分費が含まれています。
ただし、入居期間が長いほど負担割合は減少します(6年ルール)
お互いが笑顔で退去を迎えるために
これまでお話した知識は、「戦うため」ではなく「お互いが納得するため」のものです。
退去費用の計算にはルールがあり、国土交通省のガイドラインでも「経年劣化は貸主負担」「故意・過失は借主負担」と明確に考え方が示されています。
大切なのは、「どちらか一方だけが損をしないこと」です。
原状回復における壁紙の修理費用には、「実際の張り替え費用」や「住んだ年数に応じた負担割合(6年ルール)」といった正当な基準があります。
管理会社さんや大家さんも、決して無理な請求をしたいわけではなく、お互いの認識を合わせるためのステップとして見積もりを提示しています。
部屋を貸してくれた大家さん・管理会社さんと、綺麗に使おうと暮らしてきた入居者さんの思い。退去時はその両方が重なるタイミングです。
どちらの立場も尊重した対話を心がければ、退去の立ち会いも決して怖いものではありません。
ルールを知ったうえで冷静に確認し合うことで、トラブルを防ぎ、気持ちよく次の生活へ一歩を踏み出すことができます。

フローリングの傷も同じように請求トラブルになりやすい部分です。
気になる方は「フローリングの傷は請求される?」も確認してみてください。

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