家守タク|自己紹介

住宅の壁や床の状態を確認している家守タクをイメージした男性職人のアイキャッチ画像

家を直す仕事から、家を守る仕事へ

はじめまして。
家守(いえもり)タクと申します。

私は30年以上、住宅の内装工事・修繕・リフォーム・賃貸住宅の原状回復などの現場に携わってきました。大きい現場では、お台場のフジテレビ本社ビルや、さいたまスーパーアリーナなどの工事に携わった経験もあります。

現在も現役の職人として、日々さまざまな住宅の「困った」と向き合っています。

現場では、きれいに直すことはもちろん大切です。

ですが、長くこの仕事を続ける中で、それ以上に大切だと感じるようになったことがあります。

それは、

「その人にとって、本当に必要な直し方は何か」

を考えることです。


見た目だけでは分からない「本当に必要な修理」

例えば、

「壁紙が傷んでいるだけだから、そこだけ張り替えれば大丈夫でしょ?」

と言われた場所を実際に確認すると、壁紙の奥にある石膏ボードまで傷んでいた。

そんなことがあります。

表面だけをきれいにしても、下地に問題が残っていれば、また不具合が出るかもしれません。

反対に、

「全部交換しなければダメだろう」

と思っていたものが、実際には部分補修だけで十分なこともあります。

だから現場では、

直しすぎてもいけない。
直さなさすぎてもいけない。

と私は考えています。

見るのは、

「傷があるか」

だけではありません。

なぜこうなったのか。
どこまで傷んでいるのか。
何を直せば十分なのか。
今直すべきなのか。

そこまで確認して、初めて直し方を決めます。


完成した部屋には「職人の判断」は残らない

内装工事が終わったあと、目に見えるのは、

きれいになった部屋

です。

その裏で職人が、

「ここは交換しなくても直せる」

「この下地は触ったほうがいい」

「ここまで直せば十分」

「これは今やらないと後で困る」

と考えたことは、完成した部屋にはほとんど残りません。

何事もなかったように、また普通にその部屋で生活が始まります。

私は、それでいいと思っています。

誰がどう直したかを知らなくても、その人が困らずに暮らせれば、それで仕事は終わりです。


目立たなくても、きっちり仕事をして帰る

少し個人的な話になります。

10代の頃に見た映画で、今でも忘れられない場面があります。

大きな任務を終え、人々が家族との再会を喜んでいるその陰で、任務を終えた特殊部隊の人たちが目立つことなく静かにその場を離れていく。

子どもながらに、

「なんて渋い人たちなんだろう」

と思いました。

今思えば、私はずっと、

「目立たなくても、きっちり仕事をして帰る人がかっこいい」

と思ってきたのだと思います。

内装工事も少し似ています。

完成したあと、職人の存在は表には残りません。

でも、

きちんと直っている。

安心して使える。

余計な工事はしていない。

必要なところはきちんと直してある。

それでいい。

少し大げさですが、私は昔から心のどこかで、

「内装工事の特殊部隊」

くらいの気持ちで仕事をしてきました。


現場で多い「知らなかった」によるトラブル

住宅の現場では、

「知らなかった」

ことで損をしたり、余計な工事が必要になったりするケースを何度も見てきました。

例えば、

  • 小さな傷だからと放置して、傷みが広がってしまった
  • まだ補修できるものを、交換しかないと思い込んでしまった
  • DIYで直そうとして、かえって状態を悪くしてしまった
  • 本当は通常損耗なのに、自分が負担するものだと思い込んでしまった
  • 逆に、自分に原因がある損傷を「古いから大丈夫」と考えてしまった

住宅のことは、見た目だけでは判断しにくいことがたくさんあります。

だからこそ、

「これは本当に直す必要があるのか」

「自分で対応できるのか」

「業者に任せたほうがいいのか」

「自分の場合はどう考えればいいのか」

という判断材料が必要だと思っています。


このブログでは「見えなかった判断」を言葉にしたい

現場では、顔も知らない誰かのために直して、そのまま仕事を終えることがあります。

でもブログなら、

現場では残らなかった

「なぜそう判断したのか」

を言葉として残すことができます。

例えば、

「この場合はここを見る」

「これは焦って直さなくていい」

「ここまでならDIYでできる」

「これは業者に任せたほうがいい」

といったことです。

このブログ「家のこと」では、単なる住宅情報のまとめではなく、

30年以上現場を見てきた職人としての判断材料

をできるだけ分かりやすく伝えていきたいと思っています。


「相談できる職人」でありたい

職人というと、少し近寄りがたいイメージがあるかもしれません。

ですが私は、

「困ったときに気軽に聞ける職人」

でありたいと思っています。

実際の現場でも、

「これって本当に全部直す必要がありますか?」

「ここだけ直すことはできますか?」

「自分でやっても大丈夫ですか?」

と聞かれることがあります。

そんなとき、

無理に工事を勧めるのではなく、

その人にとって必要な直し方は何なのか

を一緒に考えることを大切にしてきました。

このブログでも、その姿勢は変えません。


30年前、師匠に言われた言葉

私がまだ見習いだった頃、師匠から何気なく言われた言葉があります。

「お前にとっては毎日の現場の一つかもしれない。
でもお客さんにとっては、一生に一度あるかないかのことかもしれないだろ?」

当時の私には、その言葉の意味がよく分かっていませんでした。

あれから30年以上が経ちました。

気付けば、新しい現場で作業をさせてもらうたびに、その言葉を思い出すようになっていました。

師匠が考えていた答えと、私が今考えている答えは違うかもしれません。

それでも私は、

「今、自分にできる一番良い仕事をする」

という形で、その言葉を受け取っています。

それは誰かに評価してもらうためではありません。

そこに困っている人がいるからです。


家のことは、暮らしのこと

家は、ただの建物ではありません。

毎日を過ごし、家族との時間や思い出が積み重なっていく場所です。

だから住宅のことで困ったとき、

不安なまま言われるがままに決めるのではなく、

「なぜそうするのか」を理解して、自分で納得して選べること

が大切だと思っています。

今は賃貸住宅の原状回復や退去費用についての記事が中心ですが、

これからは、

内装の修繕。

DIY。

古い住宅。

高齢者の住まい。

住宅の安全。

など、

住宅に関するさまざまな「困った」についても、少しずつお伝えしていきたいと思っています。


最後に

いつか誰かが、

「退去費用、これ払うのかな」

「この床、どうすればいいんだろう」

「親の家に手すりを付けたいけど、どうすればいい?」

と困って検索する。

そして、このブログの記事を読んで、

「なるほど。まずここを確認すればいいのか」

と思って、静かにページを閉じる。

コメントも、感謝の言葉もなくて構いません。

現場と同じです。

誰かが困らずに済んだ。

それで、このブログの役目は十分果たせたと思っています。

30年以上、住宅の現場で見てきたこと。

失敗して学んだこと。

実際に直してきたこと。

そして現場で身につけてきた「判断」を、

これからも顔の見えない誰かの役に立つ形で残していきます。

今この文章を読んでくれているあなたのためにも。

家を直す仕事から、家を守る仕事へ。

このブログ「家のこと」が、

困ったときに思い出してもらえる場所になれば嬉しく思います。

家守タク

家守タクの理念である家を直す仕事から家を守る仕事への思いを表したイメージ画像